燻製の定番ベーコン作り

燻製の定番って何だろうか。 下処理が不要で買ってすぐに燻製にできるスモークチーズだろうか。 ほんのちょっと手間がかかるが安くて美味い燻製卵だろうか。
いや、やっぱりベーコンだろう。 なんと言っても市販品とは美味さが段違いだ。 自家製ベーコンの味を知ってしまうともう市販品には戻れない。
ただ、手間がかかるし、美味しくするための要点を外すとイマイチな出来になってしまう。 大切なのは温度管理、そして嫌な煙をかけないことだ。 その点に注意してさっそくベーコン作りを始める。
使用する食材・機材
使用する食材・機材は以下の通り。 なお、塩や砂糖・キッチンペーパーやフリーザバッグ・アルミホイル・鍋やキッチンばさみなど、ほとんどの家庭で常備されているものは省略している。
- 豚バラブロック肉
- 燻製器
- スモークウッド
- オレガノ
- タイム
- ローズマリー
- バジル
- ピチットシート
- ピートパウダー
- トーチ
- 電熱器
- サーモスタット
準備
まずは準備から。 もちろん豚のブロック肉が必要である。 バラ肉が基本だが、カロリーが気になる方は肩ロース肉やロース肉・もも肉にするのもいいと思う。
後は塩・砂糖も必要だ。 スパイスはあったほうがいいが、無理して揃える必要はないだろう。
近所のスーパーで購入した100g当たり149円の米国産の豚バラブロック肉だ。 2パック合わせて約900gである。
所有している燻製器では1度に約2kgの豚バラブロック肉を燻すことができるのだが、今回は抑えてこの量にした。
スパイスは、オレガノ・タイム・ローズマリー・バジルの4種類を用意した。 用意した、というかこれだけしか持っていない。
これらは業務スーパーで驚くほど安く販売されている製品だ。 いわゆる大袋コーナーに陳列されている商品で、S&BやGABANが置かれている通常の棚には置かれていない。 お買い求めは業務スーパーの大袋コーナーで♪
肉の重量の4%の塩(今回は岩塩)・2%の砂糖(今回は上白糖)・適量のスパイス(オレガノ・タイム・ローズマリー・バジル)を用意した。 撮影のためそれぞれ分けて盛っているが、すり込む前にはもちろんしっかりと混ぜること。
肉に穴を開けるためのフォークを熱湯で消毒する。 穴あけは、フォークが手で触れる程度に冷えてから行うこと。
下処理
続いて肉の下処理を行う。 こだわるなら余分な脂肪やスジを取り除くのがいいらしいが、そこまではやらない。 フォークで穴をあけるだけである。
肉のラップを外し、トレイには乗せたままにしておく。 この後にフォークで穴を開けるが、トレイの上に乗せている方が作業しやすいためだ。
トレイの上でフォークで肉に数十箇所ほどの穴を開けていく。 しっかりとフォークを押し込んで深い穴を開けよう。 一面だけでなく、脂肪の面や側面にも忘れずに穴を開けること。
塩漬け
いよいよ塩漬け作業に入る。 『美味しくなーれ』と言いながら塩漬けすると美味しくなるとか、ならないとか。
話は逸れるが、昔の人はどうやって衛生的に肉を扱っていたんだろうか。 昔というのはローマ時代とかではなく、もっと前の神様が人類にパンツを授ける前の話だ。 狩りでたくさん獲物が捕れて食べきれない場合などは肉を貯蔵したと思うが、どう貯蔵していたんだろう。 それとも、パンツと出会う前の人類は貯蔵なんてしてなかったのかな。
まな板を置いて上にラップを敷く。 長めにラップを取り、両端をまな板の下に折り込んでいる。 最終的にこのラップで肉を包むため、ある程度の長さが必要になるからだ。
ラップを敷いたまな板に肉を乗せる。 しつこいようだが、素手で肉を触らないように。
用意しておいた塩・砂糖・スパイスをよく混ぜてから肉にまぶす。 よく混ぜておかないと塩加減にムラができてしまう。
まぶした塩・砂糖・スパイスを手で肉にすり込んでいく。 脂肪の面や側面はもちろん、ヒダの部分にも忘れずに入念にすり込もう。 均一にすり込まないと完成後のベーコンの塩加減にムラができてしまうので注意だ。
まな板に敷いていたラップで肉を包む。 できるだけラップを肉に密着させ、肉が空気に触れないようにしよう。
さらにフリーザバッグに入れて冷蔵庫で寝かせる。 最低でも3日間は寝かせるつもりだ。
塩漬け期間が長いとそれだけ肉が痛みやすくなる。 初めてのベーコン作りなら、塩漬け期間は3日間で挑戦してみるのがいいだろう。
塩抜き
次は塩抜きの作業だ。 難しい作業ではないが塩分の抜き加減がとても大切になる。
冷蔵庫で4日間塩漬けした肉を取り出す。 浸透圧の関係で水分が出ているので肉の表面の色が濃くなっているのがわかる。
流水で塩・砂糖・スパイスを洗い流す。 それほど神経質に洗い流す必要はなく、スパイスが肉の表面に残っていても問題ない。 なお、もちろん素手では触らない。
このまま燻煙してしまうと塩辛いベーコンになるので続いて塩抜きを行う。 水を張った鍋に肉を入れる。 オススメは底の平らな大きめの鍋だ。
水に溶け出した塩分は下に沈むため、底の部分は塩分濃度が高くなってしまう。 つまり、深い部分ほど塩が抜けにくくなるのだ。 そのため底の丸いボウルでは位置によって塩の濃さにムラができてしまう。
また小さい鍋だとすぐに塩分濃度が高くなって塩が溶け出しにくくなる。 よっては底の平らな大きめの鍋がオススメということになる。
鍋ごと冷蔵庫に入れて4時間ほど塩抜きする。 塩抜きし過ぎると取り返しがつかないので、4時間経ったら忘れずに味見しよう。 なお、鍋が大きい場合や塩の量を減らして塩漬けした場合はもっと短い時間で味見すること。
4時間経ったので塩加減を味見する。 キッチンばさみで肉の端を少しだけ切り落とす。 もちろん素手では肉に触らないように。
フライパンで焼いて味見する。 かなり薄い ~ 少し薄いと感じるぐらいの塩加減なら塩抜きは完了となる。
この時点で丁度よいと感じる塩加減だと、完成したベーコンは塩辛くて食べられなくなる。 まあ、刻んでチャーハンに入れるなどの利用法はあるが。
塩抜きが足りない場合は、鍋の水を入れ替えてさらに塩抜きすること。 ただし、長時間塩抜きはせずに1時間程度で味見したほうがよい。 大切な事なのでもう一度言うが、塩抜きし過ぎると取り返しがつかない。 今回は4時間 + 1時間 + 1時間の計6時間塩抜きした。
乾燥
かなり薄い ~ 少し薄いと感じるぐらいの塩加減であれば塩抜きは終わりだ。 続いて乾燥の工程に入る。 乾燥はとても大切な作業で、乾燥が足りない食材は燻煙すると酸っぱくなってしまう。
清潔なキッチンペーパーでしっかりと水気を拭き取る。 余談だが、ベーコン作りではキッチンペーパーを大量に消費する。
水気を拭き取った後の肉は傷んでいるように見えるが心配はいらない。 傷んでいる場合は、変な匂いがして、表面がネバネバする。
アップで見るとブヨブヨして色も悪いが、水を吸っているだけで傷んでいるわけではない。 塩抜きの後は毎回このような状態になるので心配いらない。
まな板にラップを敷いてピチットシートを広げ、その上に肉を乗せる。 包みやすくするため、ピチットシートの端に肉を乗せるのがいいだろう。
ピチットシートは食材を脱水するためのシートで、燻製だけでなく干物作りにも便利だ。 店頭販売しているのは釣具店ぐらいだろうか。
ピチットシートを使わない場合は、バットに裸のままの肉を乗せて冷蔵庫に入れる。 その場合は、乾燥に3・4日間必要になるかもしれない。
肉の全ての面がピチットシートに触れるように包んでいく。 包み終えて筒状になったら、両端は曲げて折り込んでおこう。
さらにラップで包むことで、ピチットシートを肉に密着させる。 輪ゴムで止めてもいいが、それだと肉に跡が残ってしまう。
冷蔵庫の中で2日ほど乾燥させる。 ピチットシートを使わず裸で乾燥させる場合は、乾燥に3・4日間必要になるかもしれない。
ピチットシートでの2日間の乾燥を終えた肉がこちら。 水分が抜けたことで、色が濃く鮮やかになっているのがわかる。
肉の表面にはツヤがあり、色は飴色になっている。 乾燥前はブヨブヨして色も悪かったが、乾燥によってこのように色とツヤが変化している。
燻煙
さあ、いよいよ燻煙だ。 塩漬け・塩抜き・乾燥という手間のおかげでここまで6日も経っている。 これ以上待ちきれないのでさっさと燻煙しようかな。
『これがなくては始まらない』のが、もちろん燻製器だ。 この燻製器は、SOTOの『お手軽香房ST-124』という製品で、ホームセンターやネットで3,000円前後から購入することができる。
付属している網は2枚だけだが、ダイソーで購入した網を足して4枚に増やしている。 網をかけるフックが3箇所しかないため、上から2段目の網は形状をUの字に加工し、最上段の網とフックを共有している。
一番下の網にはスモークウッドを置くので、食材を置くことができる網は3枚となる。 豚バラブロック肉なら、約2kgを乗せることができる。
上から3枚目の網を外し、上から2枚目の網からフックで肉を吊るせばもう少し燻煙できる量は増やすことはできる。 だが、吊るすと熱源に近い部分が焦げやすくなる。
同価格帯の燻製器では、キャプテンスタッグ M-6547という製品もある。 SOTO ST-124と同じく折りたたみ式の燻製器である。
こちらはSOTO ST-124よりもやや庫内が広い。 また、横に持ち手があるため持ち運びには便利そうである。
下段の網用フックがやや高めなのも魅力だが、上段の網用フックは高すぎて網と天板の間の隙間は狭そうである。
なお、天板に温度計用の穴が1つしかない。 そのため、サーモスタット用のセンサーを差し込むと温度計を挿せない。 SOTO ST-124にはツマミを収納するための穴があるため、天板には計3つの穴がある。
燻製する量が少なくていいのなら、BUNDOK BD-495という選択肢もある。 こちらも折りたたむことができる。
SOTO ST-124よりも少し庫内が狭いが、網用フックの位置は似ている。 ただし、温度計用の穴はこちらも1つしかない。 また、網の網目間隔が広いのがちょっと困ったところ。
話が逸れてしまった。 本題に戻ろう。
ベーコン作りには温度管理が大切だが、その温度管理を楽にしてくれるのが電熱器(電気コンロ)だ。
もちろん、電熱器だけでは楽はできない。 後述のサーモスタットから電源を供給することで、温度管理が自動で行われるようになる。
設定下限温度を下回ると電熱器がオンになり、設定上限温度を超えると電熱器がオフになるのだ。 ガスコンロだと手動で温度管理しなければならないが、それに比べると随分と楽に燻煙作業が行えるようになる。 コイツは300W / 600Wの切り替えが可能である。
サーモスタットは温度を管理するための機器で、保ちたい温度帯の下限と上限を設定することができる。 設定下限温度を下回ると電源出力プラグに通電が開始され、設定上限温度を超えると通電が停止する。 もちろん、電源出力プラグには電熱器を接続する。
コイツは50Hz / 60Hzのどちらでも利用することができ、電圧は100Vから240Vまで対応している。 電流は10Aまでなので、100V環境下では1,000Wまでの電気器具を制御できるということになる。
姉妹品で15Aまでのモデルも販売されているが、電熱器が600Wであるためこのモデルにした。 なお、電源プラグが3Pタイプであるため電源プラグの2P変換アダプタが必要となる。
スモークウッドとピートパウダーとトーチ(バーナー)だ。 使用する燻製器が小型であるため、スモークチップを使うと温度が上がりすぎて熱燻になってしまう。 冬の屋外の燻煙でも簡単に80℃を超えてしまうだろう。 そのため温度の上がりにくいスモークウッドを使っている。 なお、スモークウッドは定番の "さくら" である。
ピートパウダーについては、正直使うことで味が変化するかどうかはわからない。 バカ舌なのだろうか、初めてピートパウダーを使ったときに『美味しくなった』とは思えなかった。
トーチについては説明不要だと思うが、もちろんスモークウッドに火を付けるために使う。 ライターでスモークウッドに火を付けるのは大変なので。
トーチでスモークウッドに着火する。 面全体に火を付けると燃焼時間が短くなるため、角にだけ火を付けるようにしている(この方が燃焼時間が少し長くなるように思う)。
スモーク皿をアルミホイルで覆っているのは後始末を楽にするためだ。 アルミホイルを剥がして捨てるだけなので手間が省ける。
写真には写り込んでいないが、枯れ葉や枯れ枝に火が移ったときのために近くに水を入れたバケツを置いている。
燃え始めたスモークウッドを横に寝かせ、上にピートパウダーをかける。 ピートパウダーは安くはないのでバカ舌にはもったいない気もするが、美味しくなってくれることを祈ろう。
余談だが、ピートパウダーをかけることでスモークウッドの燃焼時間が伸びるという効果もあるようだ。
スモークウッドを燻製器に入れ、網の上に肉を乗せる。 脂肪の面を上にしているのは脂を垂れにくくするためだ。 肉が約900gであるため、網を1枚外している。
肉から垂れた脂がかからないようにスモークウッドにアルミホイルを被せる。 脂がスモークウッドにかかると燃え上がることがあるのでアルミホイルは必須だ。
アルミホイルを被せることでスモークウッドから出た煙がすぐに肉にかかることを防ぐこともできる。 経験則から感じることで根拠はないのだが、スモークウッドの真上に置いていた肉より離れて置いた肉のほうが美味しく仕上がるように思う。
燻製器の扉を閉めてサーモスタットのセンサーを差し込み、サーモスタットの電源を入れる。 設定下限温度を下回っているためすぐに電熱器の電源が入り加熱が始まる。 さあ、3時間の長丁場だ。
余談だが、この燻製器SOTO ST-124は天板に3つ穴があるため、サーモスタットのセンサーだけでなくアナログ温度計とデジタル温度計も挿している。
燻煙を開始してから数分経つが、燻製器の庫内の温度は12.9℃までしか上がっていない。 今は2月で気温が低いため、庫内の温度がなかなか上がらないようである。
翌日になってわかったことだが冬の屋外での燻煙であったため、庫内の温度が狙った温度帯にはなっていなかったようだ。 サーモスタットには下限温度を65℃・上限温度を70℃に設定しているが、もちろんこの温度帯には簡単には収まらない。
サーモスタットの動作は、設定下限温度を下回れば通電を開始し、設定上限温度を超えれば通電を停止するだけである。 65℃を下回って電熱器が動き始めたとしても、庫内の温度はすぐには上がらない。 そのため、48℃前後まで庫内の温度が下がることもあった。
実を言うと普段は台所で燻煙しており、屋外での燻煙はこれが初めてだ。 煙がもうもうと立ち込める台所でカメラを使いたくなかったため室外で燻煙することにした。
普段の室内での燻煙では、下限温度を65℃・上限温度を70℃に設定すると庫内の温度は63℃から78℃ぐらいの範囲に収まるのだ。
今回の燻煙で庫内の温度が狙った温度帯よりも低かったことがわかったのは、翌日に一晩寝かせた肉を切った時のことである。
3時間が経過し、スモークウッドは燃え尽きた。 さあ、肉の様子はどうだろうか。 白かった脂肪の面に色がついているのがはっきりとわかる。
逆側はどうだろうか。 逆の面も色づいているが、普段よりもやや色が薄い気がする。 温度が低かったため煙の乗りが甘くなったんだと思う。
アップで見ると、やはり煙の乗りが若干悪い。 まあ、美味そうではあるが。
美味そうではあるが、燻煙してすぐに食べてもあまり美味しくはない。 一晩寝かせることで本来の美味さを味わえるようになる。
バットに乗せて裸のまま冷蔵庫で一晩寝かせる。 ラップはしないほうがいいように思う。
試食
豚バラブロック肉を買ってから約1週間、すごく長かった、待たされた。 実は自家製ベーコンのストックはすでに無く、ここ数日朝食にベーコンエッグを食べていない。 早く食べたくて仕方がない。
一晩寝かせたことで『豚バラブロック肉』から『ベーコン』へ成長したと言ってもいいだろう。 見た目の変化はほぼないが、味は落ち着いて燻製直後よりも美味しくなっている。
肉を和包丁で切ろうとするも、なかなか上手く切れない。 肉が柔らかくて非常に切りづらいのだ。
普段なら一晩寝かせたベーコンは固く締まって切りやすいのだが、コイツはものすごく切りづらい。 そしてここでようやく理解した、燻煙時の庫内の温度が低かったことを。
肉の切り口が普段よりも生っぽい。 間違いない、やはり庫内の温度が低かったようだ。
冷凍保存して1ヶ月ほどで消費するので生っぽくても問題はないが肝心なのは味である。
スライスしたベーコンをフライパンでじっくりと弱火で焼く。 漂ってくる脂の焼ける匂いと弾ける音が食欲をそそる。 塩コショウやクレイジーソルトは "あえて" 振っていない。 片面に焦げ目がついたらひっくり返す。
ベーコンに両面とも焦げ目がついたら卵を割り入れる。 ベーコンから出た脂で卵が揚げ焼きされたようになっていてそれがまた美味そうである。
出来上がったベーコンエッグはとても美味しかった。 あふれ出た脂は甘く、焦げた部分はカリカリで香ばしく、噛むとジューシーでほんのりスパイスが香る。 半熟の卵黄を割ってベーコンと絡めると、それはもう濃厚で口の中はまさに天国のようだ。
ただ、パンチの弱い味で普段よりも薄味だった。 普段は、少し薄いと感じる塩抜きに抑えているのだが、今回はかなり薄いと感じるまで塩抜きした。 そのおかげでパンチが弱くなってしまったようだ。
しかし、本来のベーコンはこの味なんだろうと思う。 以前に北海道の養豚場が作っているベーコン・ウインナー・サラミを取り寄せたことがある。 取り寄せた品はとても薄味で、一口食べて『パンチが無い』と感じた。
でも、食べ進めるうちに『自然で飽きのこない健康的な味だな』と思うようになった。 食べ終えた頃には『毎日食べられるなら毎日食べたい』と思うようになっていたから驚きだ。 もちろん、お取り寄せグルメなんていう高級なものはそう簡単には頼めないが。
その時、こうも思った『普段どれだけ濃い味付けに舌が慣らされているのか』と。 今回の自家製ベーコンのベーコンエッグは、薄味だが塩・醤油などの調味料がなくても食べられる味だった。 これはこれで正解と言える塩抜きだったのかもしれない。
温度帯が低くなったことは反省点だ。 煙の乗りが普段よりも悪かったのだろう。 燻香がいつもより弱い。
自家製ベーコンが美味しくない?
『自家製ベーコンは市販品とは比べ物にならないぐらい美味い』というのは、燻製に興味がある人間なら何度も見聞きしたことのある言葉だろう。
だが、実際に作ってみるとイマイチ美味しくない。 そういう経験をした人も多いのではないかと思う。 筆者の場合も初期の頃に作ったベーコンは、
- 固い
- バサバサする
- 焼けたプラスチックのような嫌な刺激臭がする
というヒドイ出来栄えだった。 何が悪くて美味しくないのか全くわからなかったが、試行錯誤する中でなんとか市販品よりも美味いベーコンが作れるようになった。
筆者が思う美味しくないベーコンの原因と対策を以下にまとめたいと思う。 なお、筆者は燻製のプロでもマニアでもないため見当違いだとしてもお手柔らかに。
温度が高すぎる
温度が高すぎると肉が固くなってしまうため、ベーコンは80℃を超えない温度で燻すのがいいとされる。 しかし、燻製器の庫内は温度にムラがあるため、温度計の表示が80℃を超えていなくても肉はもっと高い温度で加熱されている可能性もある。
温度計の精度の問題もあると思うが、10cmほど高さが違う温度計で20℃以上の表示温度差があることもある。
固いベーコンが出来上がってしまった場合は、次回は燻煙温度を下げてみるのがいいだろう。
塩漬け期間が長すぎる
塩漬け期間が長いとバサバサしたベーコンが出来てしまうかもしれない。 つまり、鮮度の問題である。
筆者はベーコン用の肉はいつもスーパーで購入しており精肉店では買ったことがない。 そのせいか、塩漬け期間を1週間以上にすると肉がバサバサしてしまう。
なお、前述の "温度が高すぎる" という問題もバサバサ感と関係があるかもしれない。 そのため、鮮度が問題とは言い切れないが、筆者の場合は塩漬け期間を短くすることで『バサバサ』から『しっとり』なベーコンに変化した。
バサバサしたベーコンが出来上がってしまった場合は、次回は塩漬け期間を3日間に短縮してみるのがいいだろう。
古いスモークチップを捨てていない
スモークチップ限定の話だが、炭化したスモークチップをさらに加熱していると嫌な刺激臭の付いたベーコンが出来上がる。
スモークチップは、真っ黒に炭化していても加熱すれば煙を出し続ける。 しかし、この煙で燻した食材は嫌な刺激臭をまとうことになる。
炭化したスモークチップはすぐに捨て、新たなスモークチップを投入するのがいいだろう。 つまり、スモークチップは追加補充ではなく、交換補充することをオススメする。
嫌な匂いのするベーコンが出来上がってしまった場合は、スモークチップの使い方を見直そう。




















































