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岩塩と砂糖だけで仕込む教科書的な自家製ベーコン (2023-04-03)

  

教科書的な手順でベーコンを作ってみる

 

今年(2023年)はブラックペッパー以外のスパイスは使わずにベーコンを作っている。 前々回は塩・砂糖・ブラックペッパーだけで仕込んだベーコンを作ったし、前回は塩のみで仕込んだ。 どちらも美味かった。

今回は、岩塩・砂糖のみを使ったベーコン作りをしてみようと思う。 つまり、教科書的な手順でのベーコン作りだ。

使用する食材・機材

使用する食材・機材は以下の通り。 なお、塩や砂糖・キッチンペーパーやフリーザバッグ・アルミホイル・鍋やキッチンばさみなど、ほとんどの家庭で常備されているものは省略している

- 必ず必要なもの -
  1. 豚バラブロック肉
  2. 燻製器
  3. スモークウッド
- 無くてもいいがあれば便利なもの -
  1. ピチットシート
  2. トーチ
- 温度管理しない(または手作業で温度管理する)なら無くてもいいもの -
  1. 電熱器
  2. サーモスタット

準備

まずは必要な食材や調味料などを準備する。

豚バラブロック肉(国産)画像を拡大する
豚バラブロック肉(国産)

大分県産の豚バラブロック肉を合わせて約1.4kg用意した。 なお、購入時には気が付かなかったが、パックを開けてみたところ脂肪の面に黒い斑点のようなものがいくつもあった。 5本購入した内の2本がそのような状態だった。

肉の重量の4%の岩塩と2%の砂糖画像を拡大する
肉の重量の4%の岩塩と2%の砂糖

肉の重量の4%の岩塩と2%の砂糖を準備した。 なお、岩塩はヒマラヤ岩塩である。

下処理

続いて下処理を行う。 ただし、フォークで穴を開けるだけの単純な作業である。

フォークで刺して穴を開ける画像を拡大する
フォークで刺して穴を開ける

フォークで肉に穴を開ける。 なお、脂肪の面や側面にも穴を開けている。

  
素手で肉に触らず、使い捨てポリ手袋をはめて作業しよう。 以降の作業では肉を素手で触らないように。 もちろん、肉を傷めないためだ。

塩漬け

続いては塩漬けの工程を行う。 もちろん、冷蔵庫がある現代では保存性のためではなく調味のために行う。

塩・砂糖をまぶす画像を拡大する
塩・砂糖をまぶす

用意しておいた塩と砂糖を肉にまぶす。 バットではなく深いボウルの方が塩・砂糖が飛び散らなくていい。

塩・砂糖をすり込む画像を拡大する
塩・砂糖をすり込む

まぶした塩・砂糖を手で肉にすり込む。 しつこいようだが、使い捨てポリ手袋をはめてすり込もう。

ラップで包む画像を拡大する
ラップで包む

さらにラップで肉を包む。 ラップで包まずに裸で塩漬けしている方もいるので、裸でもいいのかも知れないが。

バットに並べる画像を拡大する
バットに並べる

ラップで包んだ肉をバットに並べる。 バットを使うのは肉から垂れた肉汁が冷蔵庫を汚さないようにするため。 フリーザバッグに入れるなら、バットは使わないくていい。

冷蔵庫に入れる画像を拡大する
冷蔵庫に入れる

冷蔵庫に入れて1週間寝かせる。 なお、毎朝肉の天地をひっくり返す。

塩抜き

続いては塩抜きの工程である。 塩抜きしすぎると味気ないし、塩抜きが足りないとしょっぱくて食べられたものではない。 そう、加減が難しい。

塩漬け直後の肉画像を拡大する
塩漬け直後の肉

冷蔵庫で1週間塩漬けした肉を取り出す。 ラップを剥がしてみると、うん、鮮度が落ちた色はしていない。 ただし、濃い赤色になっている部分があるのが気にかかる。

塩漬け直後の肉の表面画像を拡大する
塩漬け直後の肉の表面

1週間塩漬けしたので肉の色が灰色になっているかと予想していたが、そんなことはなかった。 キレイな色をしてくれている。

流水で塩と砂糖を洗い流す画像を拡大する
流水で塩と砂糖を洗い流す

流水で塩と砂糖を洗い流す。 スパイスを使っていないので洗い流すのが楽である。


余談だが、このシーン(流水で塩・砂糖を洗い流す場面)の撮影が難しい。 両手で肉を洗うためだ。 カメラのリモコンを持っていないのでセルフタイマーで撮影するしかない。 リモコン撮影ではリモコンボタン押し下げ時にピントが合うが、セルフタイマーではシャッターの押し下げ時にピントが合う。 つまり、シャッターを押す時には肉を持つ位置にピントを合わせておかないといけない、ということだ。

実際の撮影手順はこうである。 まず、セルフタイマーを12秒にセットする。 次に、右手にポリ手袋をはめて、左手は素手のままにする。 さらに、蛇口の下に右手をかざして左手の操作でピントを合わせる(右手にピントを合わせる)。 親指AFにしているので、シャッター半押しではなく別のボタンを押すことになる。 合焦音が聞こえたらシャッターを押し込む。 急いで左手にもポリ手袋をはめて、両手で肉を持って蛇口の下で構える。 12秒経過したらシャッターが切れる。

以上が撮影手順だが、これが難しい。 撮影した画像をチェックするとピントが合っていないことが多いのだ。 暗い室内での撮影かつ、カメラがフォーサーズ機のE-520なのでISO感度は200が限界となる(ISO 400以上ではノイズが出る)。 よって、ブレを防ぐには絞りを開放するしかない。 そのため、被写界深度が浅くなり、結果ピントが合わないのだ。 もともとフォーサーズ機はAF性能は悲しいほど貧弱だ。 なんたって愛機E-520はテーブルに置いているタマゴでピントが迷うのである。

リモコンがあれば、もっと楽に撮影できる。 右手で肉を持ったまま左手でリモコン操作すればいいだけだ。 リモコンをラップで包んでおけば防水できるから左手にもあらかじめポリ手袋をはめておける。

そこで、リモコンを手にれようとネットで調べてみた。 すると、どういうわけかリモコンの外観に見覚えがある。 デジタル一眼レフの前に使っていたコンパクトデジカメ CAMEDIA C-3030ZOOMのリモコンに似ているのだ。 型番を調べてみると...同じだ。 やった、CAMEDIA C-3030ZOOMのリモコンが使えるぜ。 ありがとうオリンパス、互換性を維持してくれて。


話が脱線してしまったので本題に戻ろう。 塩抜きの作業の話だった。

水を張った鍋に入れる画像を拡大する
水を張った鍋に入れる

大きめの鍋に水を張り、塩・砂糖を洗い流した肉を入れる。 底が平らな鍋の方が塩加減にムラができないのでオススメである。

鍋ごと冷蔵庫に入れて塩抜きする画像を拡大する
鍋ごと冷蔵庫に入れて塩抜きする

鍋ごと冷蔵庫に入れて4時間かけて塩抜きする。 なお、1時間おきに水を入れ替え、また肉の上下も入れ替える。

端を切ってフライパンで焼く画像を拡大する
端を切ってフライパンで焼く

4時間経過したので肉の端を切ってフライパンで焼いて味見する。 ほとんど塩気を感じない丁度いい加減だったので、塩抜きは終了して次の工程へ進む。

  
実は歯を磨いた直後で味覚がちょっとおかしかった。

乾燥

続いては乾燥の工程だ。 この工程も塩抜きと同じぐらい大切であるが、ピチットシート(脱水シート)を使うので難しいことはない。

キッチンペーパーで水分を拭き取る画像を拡大する
キッチンペーパーで水分を拭き取る

キッチンペーパーでできるだけ水分を拭き取る。 なお、この写真もセルフタイマーでの撮影だが、肉をまな板に置いた状態でピント合わせできるので苦労はしない。

塩抜き後の肉の表面画像を拡大する
塩抜き後の肉の表面

塩抜き後の肉の表面はブニョブニョ感があるが心配はいらない。 傷んでいるわけではない。 どうやってもこのような見た目になるのだ。

脱水シートで包む画像を拡大する
脱水シートで包む

脱水シート(ピチットシート)で肉を包む。 ピチットシートは安くないため、キッチンペーパーで包んでこまめに交換する、という方法でもいいかもしれない。

バットに乗せて冷蔵庫で寝かせる画像を拡大する
バットに乗せて冷蔵庫で寝かせる

バットに乗せて冷蔵庫で2日間かけて脱水する。

燻煙

いよいよ最後の工程の燻煙である。 さくらのスモークウッドを2本使う予定だ。

脱水後の肉画像を拡大する
脱水後の肉

2日間ピチットシートで脱水した肉を取り出す。 うん、いい感じだ。 ただ、濃い赤色になっている部分があるのがやっぱり気になる。

脱水後の肉の表面画像を拡大する
脱水後の肉の表面

表面は飴色でサラサラに乾いているが中には水分があるように見える。 うん、合格だ。

燻製器内に肉を置く画像を拡大する
燻製器内に肉を置く

肉を切り分けて燻製器の網に乗せる。 満席だね。

着火したスモークウッドを燻製器内にセット画像を拡大する
着火したスモークウッドを燻製器内にセット

さくらのスモークウッドにトーチで着火し、燻製器の底に置く。 2本目のスモークウッドはまだ燻製器内には入れない。

垂れた油がスモークウッドにかからないようにアルミホイルを被せる画像を拡大する
垂れた油がスモークウッドにかからないようにアルミホイルを被せる

肉から垂れた脂がスモークウッドにかかると発火することがあるので、防止のためアルミホイルを被せる。

燻煙中の様子画像を拡大する
燻煙中の様子

燻製器の扉を閉め、サーモスタットのセンサーを燻製器に挿して燻煙を開始する。 写真ではわかりにくいが、後ろのタオルとは距離は取ってある。

上から現在温度・下限温度・上限温度画像を拡大する
上から現在温度・下限温度・上限温度

サーモスタットの設定は、下限温度を70℃・上限温度を75℃にしている。 なお、この設定は電熱器がオン/オフされる温度であり、燻製器内がこの温度に収まるわけではない。

1本目のスモークウッドが短くなったところで、2本目のスモークウッドを燻製器内に置く。 約3時間で2本目のスモークウッドも燃え尽きた。

燻煙を終えた自家製ベーコン画像を拡大する
燻煙を終えた自家製ベーコン

燻煙を終えた自家製ベーコンをバットに置く。 うん、いい感じの色になっている。

燻煙を終えた自家製ベーコンの表面画像を拡大する
燻煙を終えた自家製ベーコンの表面

普段はスモークウッドを3本使うことが多いが、その場合はもっと色が濃く仕上がる。 今回はスモークウッドが2本だったので、やや色が優しいかな。

ベーコンはすぐに食べても美味しくない。 一晩寝かせることにする。

  

試食

待ちに待った試食である。 教科書通りのオーソドックスな手順で作った自家製ベーコンは果たして美味いのか。

冷蔵庫で一晩寝かせた自家製ベーコン画像を拡大する
冷蔵庫で一晩寝かせた自家製ベーコン

冷蔵庫で一晩寝かせた自家製ベーコンを取り出す。 うん、いい色だ。

冷蔵庫で一晩寝かせた自家製ベーコンのアップ画像を拡大する
冷蔵庫で一晩寝かせた自家製ベーコンのアップ

スモークウッドを3本使った時よりも薄い色をしているが、これくらいで丁度いいのかもしれない。

自家製ベーコンの切り口画像を拡大する
自家製ベーコンの切り口

包丁で切ってみる。 うん、断面の色もいいじゃないか。

自家製ベーコンを焼く画像を拡大する
自家製ベーコンを焼く

切り分けたベーコンをフライパンで弱火でじっくりと焼き、カリカリになったところで玉子を割り入れる。 ベーコンから出た脂で玉子が揚げ焼きされている。

自家製ベーコンで作ったベーコンエッグ画像を拡大する
自家製ベーコンで作ったベーコンエッグ

自家製ベーコンで作るベーコンエッグの完成だ。 カリカリでとっても美味い。 美味いが、少しだけしょっぱいかなぁ。 塩抜き後の味見に問題があったんだと思う。 歯を磨いた直後に味見したから。

  

教科書通りの手順で作るベーコンを試した結果

少しだけしょっぱかったが、それ以外は問題なかった。 ブラックペッパー以外のスパイス(オレガノ・タイム・ローズマリー・バジル)を使っていた頃よりは美味いベーコンができている。

  
去年(2022年)まではブラックペッパー以外のスパイスも使ってベーコンを作っていたのだが、あまり美味しいベーコンはできなかった。 原因はスパイスの質かもしれないと思っている。 なんせ、使ったスパイスはS&BやGABANではなく、10gで98円の激安品だったのだ。

次回はS&BやGABANのスパイスでベーコンを作ってみようかな

S&BやGABANのスパイスなら美味いベーコンができるかもしれない。 コストはかかるが挑戦してみようと思う。

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