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甘太くんで蜜たっぷりの焼き芋作り(その4) (2022-02-10)

  

甘太くんを美味しい焼き芋にしてあげたい

 

手に入れたサツマイモ "甘太くん" を美味しい焼き芋にしてあげたい。 そんな挑戦も今回で4回目だ。

1回目はオーブンで140℃で3時間焼くことで、甘くて濃厚な焼き芋を作ることができた。 2回目はオーブンで140℃で2時間 + 100℃で1時間で焼いたところ、蜜はやや増えたが濃厚さには欠けた。 3回目はオーブンで120℃で2時間 + 140℃で2時間で焼いたが、蜜には満足だが濃厚さはやはり不満だった。

4回目となる今回は低温調理器で75℃で4時間加熱し、その後オーブンで140℃で2時間加熱しようと思う。

使用する食材・機材

使用する食材・機材は以下の通り。 なお、塩や砂糖・キッチンペーパーやフリーザバッグ・アルミホイル・鍋やキッチンばさみなど、ほとんどの家庭で常備されているものは省略している

- 食材 -
  1. サツマイモ
- 機材 -
  1. 低温調理器(炊飯器で代用可能)
  2. オーブン
  
低温調理器は炊飯器の保温機能で代用できる。

低温調理器で加熱する(75℃で4時間)

まずはじめに低温調理器で調理する。 75℃に設定して4時間加熱する。 なお、水から調理を始めるので65℃から75℃の温度帯をゆっくりと通過するはずだ。

フリーザバッグに入れたサツマイモ画像を拡大する
フリーザバッグに入れたサツマイモ

サツマイモを水洗いして両端を切り落とし、フリーザバッグへ入れる。 低温調理ではフリーザバッグから空気を抜くことがとても大切だ。 空気は断熱効果がとても高いらしいので

低温調理器で加熱中画像を拡大する
低温調理器で加熱中

水を張ったバケツにフリーザバッグを入れて低温調理器をセットする。 75℃で4時間の調理が始まった。

15分で46℃まで水温が上がった画像を拡大する
15分で46℃まで水温が上がった

低温調理を開始してから約15分で水温は46℃まで上がった。 もちろん水温であり、サツマイモの内部温度はもっと低いだろう。 水温が75℃まで上がってから4時間調理するのだから、まだまだ先は長い。

この低温調理器は、操作部がスマホ画面のようなタッチ式になっている。 丸いボタンのように見えるのは単なる模様(デザイン)であり、押しても凹まない。 スマホ画面やタッチパネルのように静電気か何かで操作を検知しているようだ。

つまり、電気的な接点を持つ構造にはなっていない。 そのため、ボタンが劣化する心配はなさそうに思う。 また、そもそも操作部は平らなガラス面なので濡れた指で操作しても水が侵入する隙間は存在しない。

  
コイツは防水ではない。 また、操作部以外には水が侵入しそうな隙間はある。

オーブンで焼く(140℃で2時間)

低温調理には約4時間半もかかってしまった(75℃になるまで約30分かかった)。 これからオーブン(ガスオーブン)で140℃で2時間焼くので、計6時間半である。

低温調理を終えたサツマイモ画像を拡大する
低温調理を終えたサツマイモ

低温調理を終えたサツマイモをフリーザバッグから出し、クッキングシートに乗せる。 触った感じ、サツマイモはあまり柔らかくなっていない

嫌な予感しかしない。 糊化(こか:隙間ができて緩くなる状態)が進んでいれば、柔らかくなっているはずだ。 柔らかくなっていないってことは...糊化が進んでないのか。

オーブンで140℃で2時間焼く画像を拡大する
オーブンで140℃で2時間焼く

気にしてもしょうがないので、続けてオーブンで140℃で2時間焼くことにする。

我が家のオーブン(ガスオーブン)は連続運転できるので便利だ。 オーブンレンジもあるが、そちらのオーブン機能は90分までしかタイマーをセットできない。

調理後の甘太くん画像を拡大する
調理後の甘太くん

オーブンで140℃2時間の調理を終えた。 調理後の甘太くんは、見た目では失敗したようには見えない。 中身はどうだろう、さっそく割ってみる。

焼き上がりの断面画像を拡大する
焼き上がりの断面

今回が最低の出来栄えかもしれない。 ねっとり感はないし、蜜も多いようには見えない。 色も食欲をそそらないし。

  

試食

では、食べてみようっと。 予想に反して美味いかもしれないし。

焼き上がりの断面のアップ画像を拡大する
焼き上がりの断面のアップ

アップで見てみても蜜が多いようには見えない。 『ねっとり』ではなく『ほくほく』という感じだし、皮との境にある蜜も茶色くなっていない。

食べてみると...うん、美味しいか美味しくないかと聞かれれば美味い、と答える味ではある。 でも、これまでの3回には負けている

今回までの4回に点数をつけると、

1回目 85点 ・蜜がもっと欲しい
・濃厚さは十分
2回目 88点 ・1回目より蜜はやや増えた
・濃厚さが減った
3回目 89点 ・1回目より蜜はやや増えた
・濃厚さがまだ足りない
4回目
(今回)
75点 ・蜜が不十分
・濃厚さも不十分

という感じだろうか。

  

結論

ずっと70℃前後を維持するだけでは蜜はできない、という話は以前に聞いたことがあった。 今回はオーブンでの140℃2時間の加熱が加わる。 だから蜜はできるかも、と期待したのだがダメだった。

もしかしたら、70℃前後を維持する前にサツマイモを柔らかくしないといけないのかも。 柔らくなった状態で70℃前後を維持することでベータアミラーゼが活発に働き、その結果として蜜がたくさんできるのだろうか。

でも、どうやって柔らかくすればいいんだろうか。 低温調理器で水から75℃まで加熱しても柔らかくならないってことは、もっと高い温度が必要ってことだろう。 ただし、80℃を超えるとベータアミラーゼが壊れるという。

本当にベータアミラーゼは80℃を超えると壊れるんだろうか。 もしかしたら活動を停止するだけで、温度が80℃以下になれば活動を再開してくれるんじゃないだろうか。 もしそうなら、高温で柔らかくなるまで加熱し、柔らかくなったら70℃前後を数時間維持し、最後に高温で水分を飛ばせば美味しくなるのかもしれない。

温度をできるだけ上げずに柔らかくするには、先人の知恵である石焼きがいいのかもしれない。 石焼きの遠赤外線効果で低い温度帯でも柔らかくなるかも。

次回は石焼き用の石を手に入れて石焼きに挑戦してみようかな。 まずは石焼きでサツマイモが柔らかくなるのを待ち、次に低温調理器で70℃を2時間ほど維持し、最後に水分を抜くためにオーブンで140℃で2時間焼く、というのはどうだろう。

ガス代や電気代、さらに5時間以上かかることを考えると割りに合わないかもしれないが。

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