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GABANのスパイスを使った自家製ベーコン (2023-05-30)

  

GABANのスパイスでベーコンを作ってみる

 

今年(2023年)のこれまでのベーコン作りでは、ブラックペッパー以外のスパイスは使っていない。 理由は、塩と砂糖(場合によってブラックペッパーも入れた)で作ったベーコンの方が美味いからだ。

去年(2022年)までは、オレガノやローズマリー・タイム・バジルも使ってベーコンを作っていた。 だが、あまり美味しいベーコンはできなかった。 そこでブラックペッパー以外のスパイスを使うのをやめたのだが、一つだけ気になることがあった。 それは、

  1. 美味しくなかったのはスパイスの質の問題ではなかったのか

ということだ。 なんせ、使っていたスパイスはS&BやGABANの1/4ほどの価格の商品だったから。

そういうわけで、今回はS&BやGABANのスパイスを使ってベーコンを作ろうと思う。 久しぶりにオレガノやローズマリー・タイムを使ってベーコンを作ることになる。

使用する食材・機材

使用する食材・機材は以下の通り。 なお、塩や砂糖・キッチンペーパーやフリーザバッグ・アルミホイル・鍋やキッチンばさみなど、ほとんどの家庭で常備されているものは省略している

- 必ず必要なもの -
  1. 豚バラブロック肉
  2. 燻製器
  3. スモークウッド
  4. オレガノ
  5. ローズマリー
  6. タイム
- 無くてもいいがあれば便利なもの -
  1. ピチットシート
  2. トーチ
- 温度管理しない(または手作業で温度管理する)なら無くてもいいもの -
  1. 電熱器
  2. サーモスタット

準備

まずは食材を揃える。 当然の豚バラブロック肉と、S&BまたはGABANのスパイスが必要となる。

豚バラブロック肉(米国産)画像を拡大する
豚バラブロック肉(米国産)

豚バラブロック肉は普段からよく行くスーパーで購入した。 米国産で、4本で計約1.1kgほどだ。

スパイス(オレガノ / ローズマリー / タイム)画像を拡大する
スパイス(オレガノ / ローズマリー / タイム)

スパイスも同じスーパーで揃えた。 S&BとGABANのどちらでも良かったのだが、オレガノ・ローズマリー・タイムが揃っていたのがGABANだったのでGABANにした。

肉の重量の4%の岩塩・2%の砂糖・適量のスパイス(ブラックペッパー・オレガノ・ローズマリー・タイム)画像を拡大する
肉の重量の4%の岩塩・2%の砂糖・適量のスパイス(ブラックペッパー・オレガノ・ローズマリー・タイム)

続いてスパイスを準備する。 肉の重さの4%の岩塩 + 2%の砂糖 + 適量のスパイスを器に入れてよく混ぜておく。 なお、スパイスは購入したGABANのオレガノ・ローズマリー・タイムだけでなく、S&Bのブラックペッパーも加えている。

下処理

続いて下処理を行う。 不要な脂があれば取り除き、フォークで穴を開けるだけだ。

フォークで刺して肉に穴を開ける画像を拡大する
フォークで刺して肉に穴を開ける

フォークをブスブスと刺して肉に穴を開ける。 赤身の面だけでなく、脂肪の面や側面にも穴を開ける。

  
使い捨てポリ手袋をはめて、素手で肉に触らないように作業しよう。 以降の作業では肉を素手で触らないように。 もちろん、肉を傷めないため。
  
4本中の1本の肉は脂の部分の状態が良くなかった。 脂がボソボソとしていたといえばいいだろうか。 別の表現をすれば、『毛羽立っていた』となるだろうか。 その部分は包丁で取り除いた。

塩漬け

次は塩漬けの工程だ。 本来は保存性を高めるための処理なのだろうが、冷蔵庫がある現代では調味のためといっていいかもしれない。

塩・砂糖・スパイスをまぶす画像を拡大する
塩・砂糖・スパイスをまぶす

ボウルに肉を入れ、準備しておいた岩塩・砂糖・スパイスをまぶす。 バットだとすり込む時に飛び散るのでボウルを使っている。 なお、深さのあるボウルがオススメだ。

塩・砂糖・スパイスをすり込む画像を拡大する
塩・砂糖・スパイスをすり込む

まぶした岩塩・砂糖・スパイスを肉にすり込んでいく。 "揉み込む" という表現の方がピッタリかもしれない。 もちろん、ポリ手袋をはめて作業している

塩・砂糖・スパイスをすり込んだ豚バラ肉画像を拡大する
塩・砂糖・スパイスをすり込んだ豚バラ肉

塩の脱水効果によるものなのか、すり込み終えた頃には肉から出た水分で表面がビチョビチョになっている。

フリーザバッグに入れる画像を拡大する
フリーザバッグに入れる

フリーザバッグに肉を入れ、できるだけ空気を抜く。 水を張った鍋に沈めると空気を抜きやすい。

なお、ラップには包まずに裸のままフリーザバッグに入れている。 普段はラップで包んでからフリーザバッグに入れるのだが、『裸のままの方が塩分が均等になるかも』と思い今回は裸にした。

冷蔵庫で4日間寝かせる(塩漬け中)画像を拡大する
冷蔵庫で4日間寝かせる(塩漬け中)

冷蔵庫に入れて4日間寝かせる。 なお、塩分が均等になるように、フリーザバッグの天地を毎朝入れ替える。

塩抜き

いよいよ大切な工程の『塩抜き』だ。 塩抜きが足りないと、塩辛くて悲惨なことになる。 ポトフの材料にするとかチャーハンに入れる、などすれば食べられるがベーコンエッグでは食べられたものではなくなる。

逆に塩を抜きすぎると、味気なくて美味しくなくなる。 この場合はクレイジーソルトを振る、などすればいいので塩抜きが足りないよりは抜き過ぎの方がいいように思う。

塩漬け直後の肉画像を拡大する
塩漬け直後の肉

4日間冷蔵庫で塩漬けした肉を取り出す。 お疲れ様、お肉たち。

塩漬け直後の肉の表面画像を拡大する
塩漬け直後の肉の表面

4日前はピンク色だったが、今はやや灰色がかっている。 初めてのベーコン作りの時はこの色を見て不安になったものだ。 うーん、懐かしい。

  
肉の色はこれで問題ない。 1週間とか2週間の塩漬けだともっと色が悪くなる。
流水で塩と砂糖とスパイスを洗い流す画像を拡大する
流水で塩と砂糖とスパイスを洗い流す

流水で肉の表面の塩・砂糖・スパイスを洗い流す。 それほど神経質に洗い流す必要はなく、スパイスが肉の表面に少し残っていても問題ない。

水を張った鍋に入れる画像を拡大する
水を張った鍋に入れる

洗い終えた肉を水を張った鍋に入れる。 たっぷり水が入る大きな鍋の方が塩抜きが早く進むのでオススメである。 また、底が平らな鍋の方がいいように思う。 溶け出した塩分は下に沈むため、深さによって塩の抜き加減が変わってしまうからだ。

  
鍋の底に網を置いて肉を浮かせると塩抜きが早く進む。 水に溶け出した塩分は下に沈むためだ。
鍋ごと冷蔵庫に入れて塩抜きする画像を拡大する
鍋ごと冷蔵庫に入れて塩抜きする

鍋ごと冷蔵庫に入れて4時間かけて塩抜きする。 なお、1時間ごとに水を入れ替える。

端を切ってスキレットで焼く画像を拡大する
端を切ってスキレットで焼く

4時間経ったので塩抜きの具合を確認してみようかな。 肉の端を切り、スキレットで焼いて味見する。 うん、食べるのにちょうどいい塩加減だ。

『食べるのにちょうどいい』ということは、まだ塩抜きが足りないということだ。 ほとんど塩味を感じられないぐらいまで塩抜きしないと、美味しいベーコンにはならない。

  
今回は、さらに1時間かけて塩抜きを終えた。

乾燥

続いての工程は『乾燥』だ。 この乾燥の作業が一番大切かもしれない。 乾燥が不十分な食材に煙をかけると酸っぱくなってしまうからだ。

キッチンペーパーで水分を拭き取る画像を拡大する
キッチンペーパーで水分を拭き取る

2・3枚に重ねたキッチンペーパーで肉を包み、水分をよーく拭き取る。 余談だが、ベーコン作りではキッチンペーパーと使い捨てポリ手袋を大量に消費する。

塩抜き後の肉の表面画像を拡大する
塩抜き後の肉の表面

塩抜きを終えた直後の肉の表面はかなりブヨブヨしている。 傷んでいるのではと心配になるが、これが当たり前なので心配はない。

脱水シートで包む画像を拡大する
脱水シートで包む

続いて、ピチットシート(脱水シート)で肉を包む。 なお、ピチットシートで脱水するからといってキッチンペーパーでの水分の拭き取りをサボるのはよくない。

  
ピチットシートは素早く脱水してくれるが、大量の水分を吸収できるわけではない。
バットに乗せて冷蔵庫で寝かせる画像を拡大する
バットに乗せて冷蔵庫で寝かせる

バットに乗せて冷蔵庫へ入れる。 このまま冷蔵庫で一晩寝かせて脱水する。

燻煙

いよいよ待ちに待った燻煙だ。 今回はさくらのスモークウッドを2本使うので、約3時間の燻煙になる。

脱水後の肉画像を拡大する
脱水後の肉

一晩寝かせた肉を取り出す。 ピチットシートのおかげできっちり脱水できているようだ。

脱水後の肉の表面画像を拡大する
脱水後の肉の表面

よーく見ると、いつもより肉の表面が光っているようにも見える。 脱水不足かと心配になるが、ピチットシート先生を信じて燻煙の作業に入る。

燻製器内に肉を置く画像を拡大する
燻製器内に肉を置く

愛用の燻製器 SOTO お手軽香房 ST-124 を設置し、半分に切って短くした肉を網に乗せる。

着火したスモークウッドを燻製器内にセット画像を拡大する
着火したスモークウッドを燻製器内にセット

スモークウッド(さくら)に着火し、燻製器の底に置く。 なお、垂れた脂が電熱器に落ちないよう底の全面にアルミホイルを敷いている。

垂れた油がスモークウッドにかからないようにアルミホイルを被せる画像を拡大する
垂れた油がスモークウッドにかからないようにアルミホイルを被せる

肉から落ちた脂がスモークウッドにかからないよう、スモークウッドの上にもアルミホイルを被せる。

  
スモークウッドに脂がかかると燃え上がってしまうことがある。
燻煙中の様子画像を拡大する
燻煙中の様子

燻製器の扉を閉めて燻煙を開始する。 スモークウッドを2本使うので3時間ほどかかるだろう。

上から現在温度・下限温度・上限温度画像を拡大する
上から現在温度・下限温度・上限温度

サーモスタットの表示は上から、現在温度・下限温度・上限温度となっている。 つまり、70℃を下回ったら電熱器に通電し、75℃を越えたら電熱器が切れるようになっている。

サーモスタットを使うようになってから、燻煙が随分と楽になった。 以前は手作業でガスコンロの火をつけたり消したりしていたが、サーモスタットを導入したことで温度調整が自動化された。

燻煙を終えた自家製ベーコン画像を拡大する
燻煙を終えた自家製ベーコン

約3時間で2本目のスモークウッドも燃え尽きた。 煙が落ち着くのをしばらく待ってから肉を取り出し、バットに並べる。

燻煙を終えた自家製ベーコンの表面画像を拡大する
燻煙を終えた自家製ベーコンの表面

うん、いつもの色だ。 サーモスタットの設定温度や燻煙時間で色付きは変化するが、我が家では最近はこの色になる。

見ていると早く食べたくなるが一晩寝かせた方が美味いので我慢だ。 裸のまま冷蔵庫に入れて一晩待つ。

  

試食

いよいよ待望の試食だ。 GABANのスパイスで作ったベーコンの味やいかに。 なお、朝食ではなく昼食である。

冷蔵庫で一晩寝かせた自家製ベーコン画像を拡大する
冷蔵庫で一晩寝かせた自家製ベーコン

冷蔵庫で一晩寝かせた自家製ベーコンを取り出す。 寝かせたことで固く締まったように見えるのはいつものことだ。

冷蔵庫で一晩寝かせた自家製ベーコンのアップ画像を拡大する
冷蔵庫で一晩寝かせた自家製ベーコンのアップ

表面の脂が冷えて固まっている。 うん、いい色に仕上がっている。 しっかりと燻されているのがわかる。

自家製ベーコンの切り口画像を拡大する
自家製ベーコンの切り口

断面の色もいつもの通りである。 なお、燻製ガチ勢の上級者の方々の作るベーコンはもっと綺麗なピンク色だが、筆者にはこれが限界である。

自家製ベーコンを焼く画像を拡大する
自家製ベーコンを焼く

鋳鉄フライパン(つまりスキレット)でベーコンを焼く。 鉄のフライパンは料理が美味くなると聞くが、スキレットに変えて本当に何もかも美味しくなった。

  
炒める料理・焼く料理は美味しく仕上がる。 テフロンには絶対に戻れないほどの違いがある。
自家製ベーコンに卵を割り入れる画像を拡大する
自家製ベーコンに卵を割り入れる

ベーコンが焼けたところで卵を入れる。 おっと、黄味が割れてしまった、悲しい。

  
卵を直接スキレットに割り入れたわけではない。 事前に器に割り入れた卵をスキレットにそっと移した。 なのに割れちゃうとは。
自家製ベーコンで作ったベーコンエッグ画像を拡大する
自家製ベーコンで作ったベーコンエッグ

完成したベーコンエッグの見た目は、見ての通り最悪だ。 でも、中身で勝負だ。 味が肝心なのである。 さあ、味はどうだろう。

うん、美味い♪ 塩・砂糖だけのベーコンに負けていない。 塩・砂糖だけのベーコンも美味いが、スパイスを使った今回のベーコンも美味い。 負けていないというより、今回のスパイスを使ったベーコンの方が少し勝っているかもしれない。


翌日のことになるが、自家製ベーコンのベーコン丼を作ってみた

自家製ベーコンで作ったベーコン丼画像を拡大する
自家製ベーコンで作ったベーコン丼

焼肉のタレとわさびを混ぜたものを用意しておき、スキレットで焼いた自家製ベーコンを浸ける。 それを炊きたての白米にかけてネギを散らせばベーコン丼の完成だ。

自家製ベーコンで作ったベーコン丼のアップ画像を拡大する
自家製ベーコンで作ったベーコン丼のアップ

いただきまーす。 うん、美味いぞ。 ベーコンからジュワッと出る脂の旨味が白米にすごく合っている。 ほんのり薫るスパイスも素晴らしい。

ただ、美味いけどもベーコンが薄切りなのがイマイチ残念だ。 自家製ベーコンはすでに薄くスライスしており、厚切りベーコンは残していない。 厚切りベーコンだったらもっと美味かっただろうに。

  

GABANのスパイスで作るベーコンを試した結果

GABANのスパイスを使うことで、ちゃんと美味しいベーコンを作ることができた。 S&BやGABANの1/4ほどの価格の激安スパイスを使っていた頃よりは断然美味い。

次回はバジル抜きの激安スパイスでベーコンを作ってみよう

激安スパイスを使っていた頃は、実はバジルも入れていた。 オレガノ・ローズマリー・タイム・バジルの4つを使っていたのだ。 バジルには特有の臭みもあるので、それがベーコンには合わなかった可能性もある。 つまり、悪いのは激安スパイスではなく、バジルを入れていた自分ではないのかということだ。

  
燻製上級者の方々の作るレシピを見てもバジルを入れていることはほとんどない。

なので次回は、冷蔵庫の中で出番を待っている激安スパイスを使ってベーコンを作ってみようと思う。 ただし、バジルだけは使わない。 なお、バジルはピザにでもふりかけるので無駄にはしない。

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