サツマイモの "甘太くん" を蜜たっぷりの焼き芋にしたい。 そんな思いで過去6回にわたって色々な焼き方を試してきたが、甘太くんの残りはとうとうあと1本だ。 つまり、今回が旅の終わりということになる。
過去の6回の挑戦では、
という組み合わせを試したが、オーブンだけでも十分に美味しい焼き芋が作れることがわかった。 石焼きも美味しかったが、オーブンだけの結果との違いが感じられなかった。
7回目の今回はオーブンだけを使って調理する。 具体的には、
という具合だ。 アルミホイルに包んで120℃で2時間 + 裸で140℃で3時間焼く。
使用する食材・機材は以下の通り。 なお、塩や砂糖・キッチンペーパーやフリーザバッグ・アルミホイル・鍋やキッチンばさみなど、ほとんどの家庭で常備されているものは省略している。
まずは、アルミホイルに包んでオーブン(ガスオーブン)で2時間焼く。 アルミホイルで包むのは水分を逃さないためだ。
サツマイモを洗って両端を切り落とし、アルミホイルで包む。 サツマイモは2本あるが、細長い方が "甘太くん" で、もう一方の丸い方は "シルクスイート" だ。
甘太くんは40日以上寝かせた "紅はるか" のことで糖度がとても高いらしい。 だから、甘太くんなら調理が悪くても甘くなってしまう可能性がある。
そこで、誤魔化しが利かないシルクスイートも用意したというわけだ。
甘太くんとシルクスイートをクッキングシートに乗せ、120℃に設定したオーブンに入れる。 ゆっくりと加熱したいので予熱はしていない。
2時間後、120℃で焼き終えたサツマイモを取り出す。 アルミホイルの上から指で押してみると、どちらのサツマイモも柔らかくなっている。 うん、いい感じだ。
よく見ると、甘太くんの方はアルミホイルから蜜があふれ出している。 いいぞ、いい予感がする、この調子で頑張れよ。
さて、アルミホイルの中はどうなっているかな。
まずは、甘太くんのアルミホイルから開けてみる。 アルミホイルの内側が蜜でベトベトになっている。 皮の表面でテカっているのは蜜だと思う。
続いてこちらはシルクスイートだ。 こちらもアルミホイルの内側はベトベトしている。 皮の表面が蜜で光っているのも同じだ。
良かった、甘太くんでなくても十分に蜜はできているようだ。 これなら十分に甘い焼き芋ができそうである。
続いてはオーブンで140℃で3時間焼く最後の工程だ。 水分を飛ばすことが狙いとなるためアルミホイルは外す。
2本ともアルミホイルを外し、裸の状態で140℃に設定したオーブンへ入れる。 後はこのまま3時間焼くだけだ。
3時間が経過し、サツマイモは無事に焼き上がった。 見た目はどちらも美味しそうだ。 両端の断面を見ると蜜をたっぷり持っていそうだし、シワシワなことから水分も抜けているように見える。
では、割ってみる。 あ、しまった。 今回も軍手を用意していなかった。 甘太くん編の最終回なので軍手で焼き芋を割る写真を掲載したかったのに。
まずは甘太くんから割ってみる。 ひと目見て "ねっとり" しているのがわかる。 また、皮に近い部分にも中心部にも蜜がたっぷりあるのが見える。 やった、蜜たっぷりという目標は達成できている。
続いてはシルクスイートだ。 こちらも蜜はしっかり作られている。 ねっとり感も甘太くんに負けてない。
では試食する。 今までで一番美味いことを祈るばかりだ。
まずは甘太くんから食べてみる。 皮に近い部分にも、中心部にも、どちらにもねっとり感があり、そして十分に甘い。 うん、今回が一番甘いかもしれない。 ハチミツでも入っているのか、と思うほど甘い。
続いてシルクスイートをいただく。 こちらも全体的にねっとり感があり、甘さも十分にある。
ただ、甘太くんの方が甘いかな。 食べ比べなければわからない程度の差だと思うが、甘太くんの方が甘い。
"手に入れた甘太くんで甘い焼き芋を作る" という全7回にわたる旅だったわけだが、なんとか蜜たっぷりの焼き芋を作ることができた。 しかも、オーブンがあれば十分に美味しい焼き芋が作れることもわかった。
最終回となる今回は、全体がねっとりして、かつ、すごく甘い焼き芋を作ることができた。 ただし、筆者は1回目のオーブンで140℃で3時間焼くという方法が一番好きかもしれない。 中心部の蜜は少なかったが、ホクホク感が残っていて甘さも(今回に比べれば)控えめなのも良かった。
好みは人それぞれだろう。 ねっとり甘い焼き芋を作りたいのか、甘さ控えめでホクホク感を残したいのかで作り方を変えればいいだろう。
ねっとり甘い焼き芋を作りたければ、今回の、
という焼き方がいいだろう。 この焼き方で作った焼き芋は、全体的にねっとりで蜜たっぷりの焼き芋に化ける。
甘さは控えめでホクホク感を残したいという場合は、1回目の裸でオーブンで140℃で3時間焼くという焼き方がオススメだ。 この焼き方だと、皮に近い部分は甘くてねっとり、中心部はホクホク感が残った焼き芋になる。
どちらの焼き方も、加熱時間はサツマイモの太さによって変わるだろうから、手にれたサツマイモの大きさに合わせて調整してほしい。
今回の探求の旅で、甘太くんのポテンシャルには驚いた。 とにかく甘い。 ただ値段がやや高めなので、それよりも若干安いシルクスイートも捨てがたい。