久しぶりに、数ヶ月ぶりにベーコンを作ろうと思う。 記事にはしていないが、前回のベーコン作りは失敗だった。
『塩漬け前にブランデーに1時間ほど浸けると良い』との話を聞いたので試そうと思ったのだが、我が家にはブランデーがなかった。 そこでバーボンに浸けたのだが、完成したベーコンがアルコール臭くなってしまった。
悲しいことに約2kgもの量を作ってしまったものだから、数ヶ月アルコール臭いベーコンを食べる羽目になってしまった。 そんな負の遺産もなんとか食べ終えたので、新たにベーコンを作ることになった。
今回のベーコンはスパイスを多めにしてみようと思う。 塩と砂糖の量は教科書どおりの肉の4%と2%だが、オレガノやタイム・ローズマリー・バジルなどのスパイスを多めにする。
使用する食材・機材は以下の通り。 なお、塩や砂糖・キッチンペーパーやフリーザバッグ・アルミホイル・鍋やキッチンばさみなど、ほとんどの家庭で常備されているものは省略している。
まずは準備だが、もちろん豚のブロック肉が必要である。 カロリーを考えたら肩ロース肉やロース肉もいいが、味を考えるとやはりバラ肉がいい。
普段は行かない少し遠いスーパーで購入した100g当たり148円のカナダ産の豚バラブロック肉だ。 3パック合わせて約1kgである。
いつもの店では豚バラ肉のブロックを見かけなくなったため、3・4店舗探してようやく見つけた。 最近の食料不足の影響か豚バラ肉のブロックを置いていない店が多く、探すのが大変だった。
肉の重量の4%の塩・2%の砂糖(今回は上白糖)・多めのスパイス(オレガノ・タイム・ローズマリー・バジル)を用意した。 スパイス(オレガノ・タイム・ローズマリー・バジル)はそれぞれ 2 ~ 2.5g ほど使った。
続いては肉の下処理だ。 本当は余分な脂肪やスジを取り除くのがいいらしいが、そこまではやったことがない。 フォークで穴をあけるだけだ。
トレイに肉を乗せたままフォークで穴を開ける。 しっかりと奥までフォークを押し込んで深い穴を開けよう。 一面だけでなく、脂肪の面や側面にも忘れずに穴を開けたほうが良い。
続いては塩漬けの作業だ。
準備しておいた塩・砂糖・スパイスをよく混ぜてから肉にまぶす。 よく混ぜておかないと塩加減にムラができてしまうので注意が必要だ。
まぶした塩・砂糖・スパイスを手でしっかりと肉にすり込む。 完成後のベーコンの塩加減にムラができないよう、均一にすり込もう。
塩・砂糖・スパイスを揉み込んだ肉をラップで包む。 肉が空気に触れないようにできるだけラップを密着させる。
さらにフリーザバッグに入れて冷蔵庫で寝かせる。 3 ~ 4日間ほど寝かせる予定である。
続いては塩抜きの工程だ。 塩分の抜き加減がとても大切な作業だ。
2週間も塩漬けしてしまった肉を取り出す。 明らかにいつもより色が悪いのがわかる。
匂いをかいでみると、なんとなく発酵しているような香りがあるが、傷んでいるような匂いではない。 大丈夫、と思うことにした。
まずは流水で塩・砂糖・スパイスをしっかりと洗い流す。 もちろん素手では肉を触らない。
流水で余分なものを流し終えたらいよいよ塩抜きである。
水を張った大きめのステンレス多層鍋に肉を入れる。 底が平らな鍋がおすすめである。 水に溶け出した塩分は下に沈むため、底の丸いボウルでは位置によって塩の濃さにムラができてしまう。
鍋ごと冷蔵庫に入れて約4時間かけて塩抜きする。 塩抜きし過ぎると取り返しがつかないので、4時間経ったら忘れずに味見しなくては。
4時間経ったので塩加減を確かめる。 肉の端を少しだけ切り落とし、フライパンで焼いて味見する。 うん、ちょうどいい味だ。 ほんのり塩味がする。
燻製にとって大切な作業である『乾燥』の工程に入る。 乾燥が足りない食材を燻煙すると酸っぱくなってしまうので乾燥は大切だ。
キッチンペーパーでしっかりと肉を拭き余計な水気を拭き取る。
キッチンペーパーで水を拭き取った後の肉は傷んでいるように見える。 でも心配はない。 変な匂いはしないし、ネバネバもしていない。
ピチットシートで肉を包み、さらにラップで巻く。 ラップで巻いているのはピチットシートを密着させるためだ。
冷蔵庫の中で2日ほど乾燥させる。 ピチットシートを使わず裸で乾燥させる場合は、乾燥に3・4日間必要になるかもしれない。
2日間の乾燥を終えた肉を取り出す。 塩漬けが2週間だったためか、いつもよりやや色が悪いように思う。
一応、色は飴色になっているし、ツヤもある。 まあ一安心かな。
ついに最後の工程の燻煙だ。 燻製器は屋外用だが、室内で燻煙することがほとんどである。
SOTOの『お手軽香房ST-124』という燻製器を用意し、肉を乗せる。 最下段の網にはアルミホイルを置いている。 脂が垂れて電気コンロに落ちないようにするためだ。
着火したスモークウッドを燻製器に入れる。 スモークウッドは定番の "さくら" である。 ちなみに、スモーク皿をアルミホイルで覆っているのは後始末を楽にするため。
垂れた脂がかからないようにスモークウッドにアルミホイルを乗せる。 脂がスモークウッドにかかると燃え上がることがあるのでアルミホイルは欠かせない。
燻製器の扉を閉めて燻煙開始だ。 温度管理はサーモスタットに任せるので楽である。 サーモスタットの設定温度は 70℃ ~ 75℃にしている。
約3時間後、2本目のスモークウッドは燃え尽きた。 さあ、出来栄えはどうだろうか。
燻煙を終えた肉は...うん、いい色だ。 匂いもいい感じである。
肉の表面にわずかにスパイスが残っているのがまた食欲をそそる。 早く食べたいが、今日は食べない。 一晩寝かせたほうが美味いから。
ラップはせずにバットに乗せて裸のまま冷蔵庫で一晩寝かせる。
2週間という長期の塩漬けだったこともあり、すごく長かった、ああ待ち焦がれた。 早く味見をしたい。
一晩寝かせたベーコンは固く締まっているように見える。
うん、食欲をそそるいい色だぜコイツは。 ただ、パンのようにも見えるけども。
では和包丁でスライスしてみる。
2週間という長めの塩漬けにも関わらず中心はピンク色なのが意外だ。 全体的に灰色になっているかと予想していたのに。
スライスしたベーコンをフライパンでじっくりと弱火で焼き、さらに卵を割り入れる。 塩コショウやクレイジーソルトは振っていない。
出来上がったベーコンエッグは少しだけだがしょっぱかった。 塩抜きが足りなかったようだ。 そして、妙な匂いもある。 スパイスを入れすぎたためだろうか。
不味くはないが、美味くもない。 そんな一品が出来上がった、1kgも。
今回のベーコンはスパイスを多めに使ってみたが、いつもより美味くなったようには感じられない。 というか、いつもの方が美味い。
どんなことでもそうだと思うが、凝れば凝るほど逆効果なのかもしれない。 次回は塩・砂糖・ブラックペッパーだけで仕込むベーコンを作ってみようかな。
その後、塩と砂糖・ブラックペッパーだけで仕込んだベーコンを作ってみた。 すごく美味いベーコンができてしまった。