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2日で作るはずが3日かかった時短ベーコン(自家製ベーコン) (2022-05-02)

  

塩抜きなしの時短ベーコン

 

普段のベーコン作りでは、肉の重量の4%の塩で4日間塩漬けし、6時間 ~ 8時間かけて塩抜きしている。 さらにその後2日ほど乾燥させてからようやく燻煙を行う。 だから燻煙まで約1週間もかかってしまう。

しかし今回は、塩抜きなしの時短ベーコンに挑戦する。 『塩の量を少なくすれば塩抜きを省略できる』と聞くので以前からやってみたかったのだ。

なお、塩の量は『肉の重さの1.5%がよい』という情報もあれば『3%がいい』という情報も見かける。 3%だと塩漬け後に水洗いが必要そうなので、その後の乾燥の工程も必要になるだろう。

今回は『時短』が目標なので、2%の塩で塩漬けし、同時に脱水も進めようと思う。 肉に塩・砂糖・スパイスをまぶしてピチットシートで包み、24時間冷蔵庫で脱水する。 塩漬けと乾燥を同時に進めようという目論見だ

使用する食材・機材

使用する食材・機材は以下の通り。 なお、塩や砂糖・キッチンペーパーやフリーザバッグ・アルミホイル・鍋やキッチンばさみなど、ほとんどの家庭で常備されているものは省略している

- 必ず必要なもの -
  1. 豚バラブロック肉
  2. 燻製器
  3. スモークウッド
  4. ピチットシート
- 無くてもいいがあれば便利なもの -
  1. オレガノ
  2. タイム
  3. ローズマリー
  4. バジル
  5. ピートパウダー
  6. トーチ
- 温度管理しない(または手作業で温度管理する)なら無くてもいいもの -
  1. 電熱器
  2. サーモスタット

準備

まずは準備だ。

米国産の豚バラブロック肉(計900g)画像を拡大する
米国産の豚バラブロック肉(計900g)

近所のスーパーで購入した米国産の豚バラブロック肉だ。 100g当たり149円だったかな。 合わせて900gほどだが、約1ヶ月で消費する。

肉の重さの2%の塩と1%の砂糖とスパイス画像を拡大する
肉の重さの2%の塩と1%の砂糖とスパイス

肉の重さの2%の塩と1%の砂糖とスパイスを用意する。 スパイスは、ブラックペッパー・オレガノ・タイム・ローズマリー・バジルの5種類だ。

下処理

続いては下処理だが、大したことはしない。

  
使い捨てポリ手袋をはめて、素手で肉に触らないように作業しよう。 以降の作業では肉を素手で触らないように。 もちろん、肉を傷めないため。
フォークで穴を開ける画像を拡大する
フォークで穴を開ける

フォークでブスブスと穴を開ける。 赤身の面・脂肪の面・側面にも穴を開ける。 下処理はこれだけだ。

塩漬けと乾燥

次は塩漬けと乾燥を同時に行う。 肉に塩・砂糖・スパイスをまぶしてピチットシートで包み、24時間冷蔵庫で脱水させる。

肉に塩・砂糖・スパイスを擦り込む画像を拡大する
肉に塩・砂糖・スパイスを擦り込む

肉に塩・砂糖・スパイスを揉み込む。 いつもは、まぶして軽く擦り込むだけだが、今回はしっかりと揉み込むことにする。

塩の脱水効果によるものなのか、丁寧に揉み込んでいるからか、肉からどんどんと水分が出てくる。 驚くほど水が出てくる。

ピチットシートで包む画像を拡大する
ピチットシートで包む

ピチットシートで肉を包む。 肉の全ての面がピチットシートに触れるように丁寧に巻く。

さらにラップで包む画像を拡大する
さらにラップで包む

ピチットシートが離れないようにさらにラップで包む。

冷蔵庫で24時間寝かせる画像を拡大する
冷蔵庫で24時間寝かせる

バットに入れて冷蔵庫に入れる。 このまま24時間寝かせる。

脱水具合の確認

冷蔵庫に入れて24時間経過したので脱水具合を見てみる。 うーむ、ピチットシートは水分をたっぷり吸っているが、肉の色はイマイチだ。

まだまだ水分が残っている画像を拡大する
まだまだ水分が残っている

ピチットシートを外す。 やはり、まだまだ水分が残っている。 いつもとは勝手が違うぜ。

ピチットシートを取り替え、もう一晩かけて脱水するしかない。

新しいピチットシートで包み直す画像を拡大する
新しいピチットシートで包み直す

新しいピチットシートで包み直し、再び冷蔵庫へ入れる。

脱水具合の確認(2回目)

ピチットシートを取り替えて24時間が経過した。 つまり、計48時間脱水したことになる。

乾燥後の豚バラ肉画像を拡大する
乾燥後の豚バラ肉

いつものような飴色にはなっていないが、肉の表面は乾いているように見える。 うん、燻煙に進もう。

燻煙

予定より1日遅れの燻煙だ。 気になるのは、乾燥不足で酸っぱくならないか、塩抜きしていないので塩辛くないか、の2点だ。

乾燥不足が心配なので、普段やらない温熱乾燥してみようかな。 電熱器(電気コンロ)があるから温熱乾燥できる。

肉を燻製器内に置く画像を拡大する
肉を燻製器内に置く

豚バラ肉を包丁で切り、燻製器内に置く。 脂が落ちないように脂肪の面を上にし、また、一番下の網にはアルミホイルを敷く。

設定温度65℃~68℃で温熱乾燥中画像を拡大する
設定温度65℃~68℃で温熱乾燥中

サーモスタットの設定温度を65℃~68℃にし、1時間ほど温熱乾燥をかける。

スモークウッドに火を付けて庫内に置く画像を拡大する
スモークウッドに火を付けて庫内に置く

温熱乾燥が終わったのでスモークウッドに火を付けて庫内に置く。 今回のスモークウッドは定番の "さくら" にした。

スモークウッドにアルミホイルを被せる画像を拡大する
スモークウッドにアルミホイルを被せる

落ちた脂でスモークウッドが燃え上がらないよう、スモークウッドの上にアルミホイルを被せる。

設定温度70℃~75℃で燻煙中画像を拡大する
設定温度70℃~75℃で燻煙中

サーモスタットの設定温度を70℃~75℃にし、スモークウッドが燃え尽きるまで燻煙する。 なお、スモークウッドは1ブロックだけ使うので約90分で燃え尽きる。

  
普段はスモークウッドは2ブロック使っている。 今回は『時短』するために燻煙時間も短くしてみる。
設定温度75℃~80℃で燻煙中画像を拡大する
設定温度75℃~80℃で燻煙中

温度計を観察すると、どうやら庫内の温度は60℃~65℃辺りをうろついている感じがする。 これでは温度が低すぎるのでサーモスタットの設定温度を5℃上げて、75℃~80℃に設定した。 スモークウッドが消えるまでの約30分は、この温度で燻煙する。

2時間の燻煙後の自家製ベーコン画像を拡大する
2時間の燻煙後の自家製ベーコン

約2時間の燻煙を終えたベーコンを取り出し、バットに並べる。 普段よりもツヤがあるように見える。 時短だから鮮度が落ちてない、ってことなのか。

表面にスパイスが残る自家製ベーコン画像を拡大する
表面にスパイスが残る自家製ベーコン

塩抜きしていないので表面にスパイスが残っている。 それが味にどう影響するのか楽しみでしょうがない。

楽しみだが、今すぐに食べても大して美味しくない。 最低でも一晩寝かせたいので、ラップはせずに裸の状態で冷蔵庫に入れる。 明日が楽しみだ。

  

試食

塩抜きせずに作った時短ベーコンの味はどんなだろうか。 表面にスパイスが残っていることで味が変わるのか、燻煙時間をいつもより短い2時間にしたことで燻香は弱くなるのか、気になることだらけだ。

冷蔵庫で一晩寝かせた時短自家製ベーコン画像を拡大する
冷蔵庫で一晩寝かせた時短自家製ベーコン

一晩寝かせた時短自家製ベーコンを冷蔵庫から取り出す。 うーむ、ツヤが無くなっているように見える。 裸で冷蔵庫に入れておいたから乾燥が進んだってことかな。

和包丁で時短自家製ベーコンを切る画像を拡大する
和包丁で時短自家製ベーコンを切る

和包丁で時短自家製ベーコンを切ってみる。 うん、まあまあ切りやすいが、普段よりも少し柔らかいかな。 燻煙時間がいつもより短い2時間だったから、水分の抜けが悪かったんだろう。

鮮やかな色の時短自家製ベーコンの断面画像を拡大する
鮮やかな色の時短自家製ベーコンの断面

断面の色が明らかにいつもと違う。 いつもの『4日間塩漬けして作るベーコン』はもっと断面の色が暗い。 今回のように全体がピンク色ではなく一部は灰色っぽくなる。

1週間塩漬けした場合はさらに色が悪かったし、10日塩漬けした時はもっと色が暗くなった。 見た目という点では、今回の時短自家製ベーコンが一番新鮮で美味そうだ。

まあ、肝心なのは味だ。 さっそくベーコンエッグにしてみる。 フライパンでベーコンを焼き、さらに卵を割り入れる。

時短自家製ベーコンで作ったベーコンエッグ画像を拡大する
時短自家製ベーコンで作ったベーコンエッグ

時短自家製ベーコンで作ったベーコンエッグが完成した。 一口食べると...おっと、しょっぱい。 食べられないほどではないが、『お取り寄せベーコン』などの自然な味のベーコンと比べると明らかに塩辛い。 今回は肉の重量の2%の塩を使ったが、1.5%で良かったかも。

表面にスパイスが残っていることによる味の違いもそれほど感じられない。 いつもよりはスパイスが香っているが『すごく美味しくなった』とは思えない。

燻香はいつもより弱い。 燻煙時間がいつもより短い2時間(正確には1時間50分)だったからだろう。 『ベーコン』というよりは、『スパイス香る塩漬け肉』かな。

  

時短ベーコンをやってみて

今回初めて試した、

  1. 塩の量は肉の重さの2%
  2. 燻煙時間は2時間

という方法で作った時短自家製ベーコンはイマイチな味だった。 やや塩辛く、また燻香も弱かった。

塩の量を減らして1.5%にし、燻煙時間を4時間にしたらもっと美味しくなるのかもしれない。 次回の時短ベーコン作りはそれで挑戦してみようかな。 塩抜きを省略できるのは、やはり魅力的である。

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